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マスカスタマイゼーション(mass customization)とは?
マスカスタマイゼーション(mass customization)とは、「大量生産(マスプロダクション)」と「顧客個別要求対応(カスタマイゼーション)」を掛け合わせた言葉で、大量生産に近いビジネス効率で顧客個別のニーズに対応し、カスタマイズされた製品・サービスを提供するビジネスモデルを意味します。
マスカスタマイゼーションを実現することで、顧客への提供価値を向上し顧客満足度が高まります。
さらに、生産コストの削減による収益拡大や、高効率化により市場普及力が高まりシェアが拡大するなどのメリットが見込まれます。
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「大量生産(マスプロダクション)」と「受注生産(カスタマイゼーション)」を同時に実現
マスカスタマイゼーションの概念は、経験や体験を経済的な価値とする「エクスペリエンスエコノミー(体験経済)」の考え方を浸透させた経済学者ジョー・パイン氏が示したものです。
近年、多くの企業がこのコンセプトを戦略に取り入れています。
マスカスタマイゼーションでは、顧客の個々の要求を反映した製品やサービスを大量生産に近いビジネス効率で提供できるように、コスト削減・利益拡大を図ります。
そのために、多くの顧客要求に対応する製品バリエーションへの対応力を高め、カスタマイズの自由度を維持しなくてはなりません。
それら幅広いバリエーションをカバーする製品群のQCDマネジメントを一体的かつ効率的に行う「群設計管理」を確立し、個別オーダー単位で違う仕様をマネジメントできるようになることが必要となります。
また、オーダー毎に違う仕様を柔軟かつ効率よく対応するためには、いわゆる「フレキシブル生産」の確立が必須です。
生産工程側の人員や生産設備は、オーダー毎に異なる仕様に対する製造指示をデジタルデータで正確かつ迅速に受け、製造指示の内容を自律的に判断し、製造指示の違いに対して柔軟かつ最適に作業を行わなければなりません。
当初「群設計管理」は、パソコンのような組合せ型とよばれる設計標準化やモジュール化が進んだシンプルな構造の製品のみが可能でした。
しかし近年ではコンフィグレータなどのIT技術の発展により、複雑性の高い製品に対しても、その膨大で複雑なバリエーションの管理が可能となってきております。
「フレキシブル生産」は、生産設備の自動化・高機能化や、受注から生産スケジュール、そして生産の各工程へのデータ流通を確立することが必要であり、IoT(モノのインターネット)の普及などにより、多くの産業や製品においても実現可能となってきました。
このような「群設計管理」や「フレキシブル生産」が確立された本格的なマスカスタマイゼーションの実現は、今後ますます厳しくなっていくビジネス環境の中で、より広い経済圏や市場での需要を取り込み、そこでの競争優位性を獲得するためにも避けて通ることができない重要なテーマです。
カスタマイゼーション(フルカスタム)とマスカスタマイゼーションの違いとは?
マスカスタマイゼーションが、設計として標準化・共通化された部材や部品の組み合わせによって、幅広い製品バリエーションを実現するのに対し、カスタマイゼーション(フルカスタマイズ)は、個々の顧客のニーズに合わせて、個別に最適な設計を行い、個別に部材を調達し製造します。
車の模型を作ることを例に、説明します。
レゴブロックのように、共通化されたいくつかの種類のブロックを組み合わせて、様々な種類の車を作っていく、これがマスカスタマイゼーションです。
一方、カスタマイゼーション(フルカスタマイズ)とは、粘土で車を作るようなもの。
トラックや乗用車、軽自動車やワゴン車など、作りたい車をひとつひとつ、粘土でイチから形づくっていきます。
マスカスタマイゼーションでは、部材や部品の設計標準化・共通化により、ビジネス全体として必要な部材や部品などのバリエーションを最小限にすることができ、設計や生産準備などの工数や在庫の削減などに寄与することができます。
しかし、そのようなメリットを享受するには、複数製品にまたがる共通の製品設計ルール整備、構成するモジュール間のインタフェースルール整備、モジュール化する部材や部品の設計独立性の確保(カプセル化)などの、モジュール化設計を推進し、継続的にその設計ルールをマネジメントすることが求められます。
マスカスタマイゼーションが求められる背景
現在、マスカスタマイゼーションが求められる背景について、見ていきましょう。
インダストリー4.0(Industry4.0)とは?
近年、インダストリー4.0(第四次産業革命)への進展と呼ばれる、新たな産業革命が起きているという世界的潮流があります。
このインダストリー4.0におけるモノづくりモデルの理想像としてマスカスタマイゼーションが捉えられています。
インダストリー4.0とは、ドイツ政府が2011年に発表した産業政策で、和訳すると「第4次産業革命」となります。
IT技術を導入することで、工場の自動化を目指す政策です。
ここで、第一次産業革命から第3次産業革命までを振り返っておきましょう。
18世紀後半、イギリスで始まった第1次産業革命は、人の手で行われていた軽工業を水力や蒸気機関を動力として機械化が推進されました。
当時、イギリスでは綿花を加工した綿織物を輸出していましたが、織機と紡績機を蒸気機関で動かすことで作業効率が上昇し、イギリスは「世界の工場」と呼ばれるほどの発展を遂げました。
その後、アメリカやドイツを中心に第2次産業革命が起こります。
製鉄業や造船業といった重工業を石油と電力を活用して機械化することで、製造業の大量生産化が進みました。
ドイツでは、蒸気機関より小型化したガソリンエンジンが発明され、自動車や飛行機が実用化、アメリカでは発電所が各地で作られ、電気が産業化されました。
アメリカが世界経済の首位に踊り出たのはこの頃です。
そして、20世紀後半に起こった第3次産業革命は、「デジタル革命」とも呼ばれています。
コンピューターによる単純作業の自動化が進み、製造業や流通業などにIT技術が導入され、生産ラインが自動化されるファクトリーオートメーション化が進みました。
この次に来る第4次産業革命、いわゆるインダストリー4.0では、ものづくりのスマート化(知能化)や自律化が進むと言われています。
完全自動化に近づいた工場が、デジタル技術の進展とあらゆるものがつながるIoTの発展によりネットワークのように供給サイド、需要サイドともにつながります。
また、センサー等を使って収集した様々なデータを適切に把握し、人間による指示がなくてもAIなどを導入した機械が自律的に判断し、最適なオペレーションを実施することが出来るようになります。
いわゆるマスカスタマイゼーションへの対応力を高めたスマートファクトリー(考える工場)やサービタイゼーション(製造業のサービス化)が推進されると言われています。
大量少品種から大量多品種へ
かつて、日本の製造業は大量少品種生産=マスプロダクションが基本でした。
戦後の経済成長の下、国民の所得水準が急激に向上したことで、受注生産では大量の消費に追いつかず、大量生産が主流となりました。
しかし、近年グローバル化が進み、ニーズが多様化。顧客が製品を選ぶ時代となり、製品にバリエーションが求められるようになりました。
ニーズの移り変わりも早く、時代と共に顧客が求める基準も変化しています。
新製品を開発し、市場に投入しても短期間で市場が成熟し、厳しい価格競争に見舞われます。製品ライフサイクルの短縮化が進んで、在庫を抱える要因にもなっています。
企業は従来の大量生産によってコストを下げ利益拡大を図る手法から、ニッチな戦略による販売機会の創出へと戦略を切り替えなければなりません。
多品種でありつつ、大量生産に匹敵するコスト削減と効率化を目指す必要があります。
IT技術が進化したことで、顧客ニーズを素早く察知し、設計・製造を自動化、円滑に出荷・販売することができるようになった現在、マスカスタマイゼーションはさらに推進されていくでしょう。
マスカスタマイゼーションのメリット・デメリット
マスカスタマイゼーションは、大量生産と受注生産のメリットを両立できる手法です。
まずはメリットについて述べます。
✓ マスカスタマイゼーションのメリット
マスカスタマイゼーションを推進することで、具体的に次のようなメリットが考えられます。
カスタマイズという高い付加価値を提供できる
カスタマイズという価値を幅広い顧客に効率的に提供することが可能
大量仕入れによる原価の低減
システム化による生産コストの低減と納期の短縮
在庫過多のリスクを低減
体験価値(カスタマーエクスペリエンス)という新たな価値の提供
新規性の高い特注対応による製品開発力の向上
大きなメリットとして、最小限のニッチ市場、つまり個人や個々の企業など、顧客に合わせた製品やサービスを提供するカスタマイズという高い付加価値を提供できることにあります。
既製品や既成のサービスでは不満だった顧客がカスタマイズという付加価値を享受すると、その製品やサービスに対するロイヤリティが向上し、高い価格での提供が可能となり、リピート率も上がります。
本来、このようなカスタマイズは非効率なビジネスでしたが、マスカスタマイゼーションにより、このカスタマイズという価値を幅広い顧客に効率的に提供することが可能となります。
これにより製品やサービスが広い市場への展開スピードが速くなり、大きなシェアを獲得できます。
このように個々の製品やサービスはカスタムされていても、その製品群としてのビジネス規模を大きくできること、更に提供する製品やサービスに必要な部品や材料を共通化することで、大量生産に劣らない生産性を維持できるため、大量仕入れによる原価の低減や、IT技術を利用したシステム化などによって、生産コストの低減や納期の短縮が実現できます。
また、在庫を抱えるリスクが減少するのも魅力です。
さらに、顧客ニーズに応じて製品やサービスを提供するというカスタマイズビジネスでは、幅広い顧客の声を聞くことができ、顧客データやニーズに対する知識が蓄積されます。
マスカスタマイゼーションに親和性の高い対話型の新たなマーケティングやセールスが提供できれば、顧客は体験価値(カスタマーエクスペリエンス)という新たな価値を享受することになります。
✓ マスカスタマイゼーションのデメリット
続いて、デメリットについては、下記のようなことが考えられます。
幅広い顧客ニーズに対応できる製品やサービスのラインナップ拡充が大変
顧客ニーズへの提案型営業力向上とそれを支援する仕組みの構築が難しい
幅広い製品・サービスラインナップをマネジメントする設計ルール整備に時間がかかる
新たな生産システムの構築にコストがかかる
フレキシブルな生産に対応するため従業員に負担がかかる
常に変化する顧客ニーズへの対応力が高いレベルで求められる
マスカスタマイゼーションを推進するには、幅広い顧客ニーズに応えるために対応できる製品やサービスのバリエーションを広く構える必要があります。
この広いバリエーションの中から顧客のニーズに対して最適な製品やサービスを提案できる提案型の営業力、それを支援する仕組みの構築も必要となります。
しかも顧客ニーズを聞いてから検討するのでは遅く、事前にその提案するため、顧客ニーズに対してどのような販売仕様を提供するか、その時の販売価格を事前にルールとして整備しておく必要があります。
これを効率よく対応するために、設計標準化やモジュール化など幅広い製品やサービスラインナップをマネジメントする設計ルールの整備が必要となります。
多様な製品やサービスを効率的に提供するために、生産のようなバックエンド側もそれに適した新たなシステムや設備を導入する必要があります。
初期費用はもちろんですが、ランニングコストを始め、保守・メンテナンス費用などが発生する上に、多品種への対応というフレキシブルな生産に対応するため、従業員に負担がかかることは否めません。
新システムに対応する従業員への教育・研修や、多能工への対応、段取りや工程の見直しが必要になるなど、様々な手間が増えるのも事実です。
製品がカスタマイズできるようになると、そのカスタマイズという付加価値を提供し続けるために、常に変化する顧客ニーズを把握し、対応し続けることが重要となります。
顧客ニーズをデータで分析、予測するなど、顧客ニーズへの迅速な対応力も高いレベルで求められます。
マスカスタマイゼーションを可能にする技術
マスカスタマイゼーションを可能にするには、受発注から製品開発、設備開発など各工程で分断されているシステムがスムーズに連携、つまり受注から製造までのシステムが連携されていることが前提となります。
システムの連携
受発注の工程では、
CRM(Customer Relationship Management)
CPQ
ERP(Enterprise Resources Planning)
などが連携する必要があります。
製品開発などの工程では、
CAD(Computr-aided Design)ト、
PLM(Product Lifecycle Management)
Engineering Configurator
ERP(Enterprise Resources Planning)
MES(Manufacturing Execution System)
などのシステムが連携していなければなりません。
サプライチェーンの現場では、調達・発注などのシステムと
SCM(Supply Chain Management)
MES(Manufacturing Execution System)
それぞれのシステムがシームレスに連携することで初めて、製品に関わるあらゆる工程がデジタル化され、モノの生産につなげることが求められています。
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設計・製造現場で実用化されている技術
このようなシステムが導入されていることを前提とした上で、設計の現場で取り入れられている技術の一つに、ジェネレーティブデザインがあります。
ジェネレーティブデザインとは、顧客の好みの色や形、デザインをウェブ上に入力するなどして、顧客自身が製品の設計を可能にする技術です。
デザインデータは工場へ送信され、顧客のニーズに限りなく近い形での製造を実現します。
製造現場では、デジタルファブリケーションという技術が活用されています。
レーザーや3Dプリンタなどのデジタル工作機械は、CAD等で制作したデータを基に、素材の切り出し・加工・成型を行うことが可能です。
現状は、精度や耐久性など様々な制約があるものの、急ピッチで技術開発が進められています。
デジタルツインの活用
デジタルツインとは、現実世界のデータを用いてデジタル空間に再現された、現実と双子(ツイン)のような仮想モデルを指します。
IoTやAIなどの活用によって、データをリアルタイムに同期し、生産工程や動作環境などのプロセスまでを再現できるのが利点です。
こうしたデジタルツインを活用することで、実際の工場の動きに対し仮想空間でシュミレーションした結果を反映することができるようになります。
これらの設備や技術を取り入れたスマートファクトリーは、最新技術を用いた生産の自動化・無人化、知能化による生産性の向上や、データによる生産の可視化を実現します。
また、取得されたデータや監視システムから送られる画像・動画データを基に、最小限の手間で品質管理を行うことができるようになると期待されています。
マスカスタマイゼーションの課題・よくある失敗
マスカスタマイゼーションを実現するには、いくつかの課題をクリアする必要があります。
どのような課題が考えられるのか、またありがちな失敗例について解説します。
▶ 1. 多品種生産に対応できる設計や生産ラインの準備
マスカスタマイゼーションは、大量生産の側面はあるものの、同じ品種を作り続けるわけではありません。ニーズの数だけ存在する品種の少量生産を連続して行うことになります。
大量生産と同等、それよりは低いコストで効率的に多品種少量生産を実現することが求められます。
そのため
幅広く細かなニーズに対応できる設備、機器を選ぶ
品種切り替えが行いやすいフレキシブルな生産ラインにする
複数バリエーションが同時並行に生産稼働できるようにする
共通の部材で、バリエーション豊かな部品組立を可能とする設計にする
のように、設計変更に踏み込みながら、生産ライン、そこで使われる設備や機器など現場を変えることも必要です。
▶ 2. 顧客ニーズの分析やデジタル化に対応できるIT人材の確保
顧客ニーズの分析やデジタル化に対応できるIT人材の確保・育成なしでは、マスカスタマイゼーションを推進することはできません。
顧客ニーズをデータ化し、把握する能力
顧客ニーズを分析し、製造システムに導く能力
デジタルシステムを適切に操作する能力
を持つ人材確保が不可欠です。
▶ 3. 生産全般を管理・統括するシステムの構築
多くの場合、新システムを導入することになるマスカスタマイゼーション。
生産計画やライン、機器・部材・部品・人材を管理、統括する新しいシステムが必要になります。
新システムや機器を導入する際には、現状の業務フローや生産現場を確認し、設置スペースや既存機器や部材との兼ね合い、操作マニュアルなどの作成なども考えなければなりません。
マスカスタマイゼーションの導入において失敗に終わる原因の多くは、生産管理業務の複雑化が避けられないことが挙げられます。
大量生産の時代は、1人1業務が基本でしたが、多品種を生産するためには1人1業務では対応できず、作業者の多能工化が求められます。
また、業務の複雑化は避けられず、段取りや配置を変えることによって現場が混乱、中には技術的な面で適応できないことも想定されます。
いくら完全自動化、スマート化すると言ってもコントロールするのは人間です。
人間が新しいシステムややり方に適応するには、一定の時間や教育が必要です。様々なトライアンドエラーを繰り返しつつ、最適化を図っていかなければなりません。
業界別事例を紹介
パソコン業界
DELL
受注生産方式(BTO:Build To Order)のパソコンを販売。
BTOとは顧客がパーツを選択して目的や用途に合ったパソコンを購入できるシステムで、DELLはその先駆けです。
中間業者を通さず、性能を保ったまま価格を抑えてPCを提供できる体制を作りました。
在庫リスクも抑えられる他、メーカーから顧客に直接届ける直販形式で、流通コストカットにも成功、調達・生産から顧客に届けるまでのバリューチェーンを最短化することで、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC、お金を払ってから売上を回収するまでの期間)をマイナスにすることが実現されています。
これは「デル・モデル」と呼ばれ、マスカスタマイゼーションのお手本といわれる代表的な事例です。
乗り物/自動車・二輪業界
マツダ
マスカスタマイゼーションの実現が難しいとされていた、すり合わせ型の製品アーキテクチャの代表として言われるのが「自動車」です。
そのような自動車メーカーであるマツダが実施した製造業改革は、マスカスタマイゼーション改革のお手本となる事例として上げさせていただきます。
マツダが目指した「究極のコンカレントエンジニアリング」に向けて、2006年から実施した「モノ造り革新」のコンセプト、その一つである「コモンアーキテクチャ」は「目に見えるモノではなく、思考プロセスや設計構想、それを実現する生産プロセスを共通化した」と解説されています。
複雑性の高い製品がマスカスタマイゼーションを実現する上で非常に参考になります。
この設計モデル改革がキーとなり、もう一つのコンセプトである「フレキシブル生産」も実現、1つのラインで多様な製品の生産を可能とすることで生産性を抜本的に向上させています。
更に、マーケティングや営業なども大きく変わり、現在進行形で販売、設計、生産の三位一体で進化しているマスカスタマイゼーション事例です。
制御機器/プロセス制御システム業界
横河電機
B2Bの製造業は、顧客ニーズへの対応力が求められるため、顧客ニーズを聞く前から事前に製品の「標準」を整備することが困難であり、それがビジネス効率を悪くしています。
日本国内最大手の計測・制御機器メーカーである横河電機は、国内市場からグローバル市場に大きくビジネスがシフトしていく中で、そのグローバル市場の要求に柔軟かつ、効率良く対応できるビジネスモデルに変革するため、従来まで顧客ニーズ、仕様にあわせて特注でしか対応できていなかったものを、「標準」の組合せで対応可能にしました。
そしてその販売を支援する仕組みである「セールスコンフィグレーター」を構築しています。
「標準」的な製品ラインナップの見直しという設計モデル改革から、「セールスコンフィグレーター」整備による販売モデル改革、その後のバックエンド側の業務プロセスの効率化とつなげていくという、B2B製造業における「マスカスタマイゼーション改革」の教科書的な成功事例となります。
【関連資料】
横河電機株式会社 導入事例資料をダウンロードする
マスカスタマイゼーションを知るための本、関連書籍
マスカスタマイゼーションについてより深く知りたい方への関連書籍を紹介します。
2030年の第4次産業革命: デジタル化する社会とビジネスの未来予測 単行本 2020/1/31尾木 蔵人 (著)
見える化4.0 AI×IoTで「稼ぐ力」を取り戻せ! 単行本(ソフトカバー) 2018/10/18 木村 尚敬 (著), 沼田 俊介 (著)
日本版 インダストリー4.X 日本の強みを活かすIoT革命 単行本(ソフトカバー)2018/10/4 奥 雅春 (著)
まとめ
大量生産に近いビジネス効率で顧客個別のニーズに対応しカスタマイズされた製品・サービスを提供することを目的とした受注生産を実現するマスカスタマイゼーションのニーズはますます高まっています。
情報化社会が進むことで顧客のニーズは多様化する一方です。製造メーカーは顧客の要望に応じた製品を提供していかなければなりません。
生産ラインを細かくコントロールできるシステム化、多様化する顧客ニーズを正しく捉え、迅速に対応するカスタマーインターフェースを実現し、マスカスタマイゼーションに取り組むことが必要となってきます。
これからの事業成長の大きな鍵を握るマスカスタマイゼーションについて、ご紹介しました。